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執筆者の写真LAGS Reporter.SA

雨の中を歩く街 ユージーン







イントロダクション


こんにちは。アメリカ・オレゴン州でランドスケープの勉強をしている赤山紗也果です。現在、オレゴン大学の修士3年生です。


大分県出身で、2015年から長崎に4年半住んでいました。長崎大学環境科学部でLandscape Architectureという分野に出会い、学びはじめました。そして同学部を2018年に、同研究科の修士課程を2019年に卒業し、2019年9月に渡米、今に至ります。


渡米までの経緯などはU2Wでもお話しさせて頂きましたので、その時の報告ブログもよかったら、ご覧ください。(他の登壇者の方のブログも大変オススメです!)






今回は、私のアナザースカイになりつつある、オレゴン州を紹介したいと思います。


 

目次

‐ オレゴンってどこ?

‐ ユージーンを歩く

  ランドスケープを五感で感じる

  傘をささないこの街に染まる 

‐ さいごに


 

オレゴンってどこ?

オレゴン州は、西海岸のカリフォルニア州の北、シアトルのあるワシントン州の南に位置する州です。州都のポートランドは、全米の住みやすい街ランキング上位に入ることも多く、日本の書籍で取り上げられたこともあり、名前の知名度は高いのかな、と思います。


私は、そのポートランドから南に車で2時間ほど行った、ユージーンという大学街に住んでいます。ユージーンは日本の北海道と同じくらいの緯度で、その植生は日本のものと似ているところも多いです。


アメリカの中でも、オレゴンは緑豊かなイメージを持つ人も少なくないのですが、実際にそういったオレゴンがあるのはCascade Mountains という山々の東側(海岸側)で、西側には乾燥地帯が広がっています。ユージーンやポートランドは東側に位置するので、山脈の方や乾燥地帯はまだあまり行ったことがないのですが、州の中で、色んな植生があって興味深い州です。





 

ユージーンを歩く


ランドスケープを五感で感じる


ユージーンに初めて降り立った時、一番に目を引かれたのは、街路樹の緑の美しさでした。

緑の生い茂る、とてもヘルシーな木々は大学キャンパスだけでなく、街全体に広がっています。特に春や夏は晴れのことも多く、新緑の美しさを感じます。


秋になると、曇り空が増え、雨も降り始めるので、どんよりとした日々が冬の間までずっと続きます。そこに彩りを加えてくれるのは、色づき始めた街路樹です。

私は、この時期、歩道を歩くと、赤や黄色に色づいたモミジやオークの木々や、その落ち葉の色にさえ、目を奪われます。自転車を止めて写真を取りたくなったり、牛の歩みで落ち葉の上を歩きたくなったりと遅刻しそうになる季節です。



 


傘をささないこの街に染まる


先に書いた通り、ユージーンで過ごす一年の半分は雨の降る、曇り空です。そんな街の住人、オレゴニアンのほとんどが傘をささずに、レインジャケットだけで歩きます。なぜ、ささないのか、手が埋まるのが嫌なのか、自転車に乗るのに邪魔だからなのか、真相は分かりません。でも私もオレゴニアンになろうと、レインジャケットや防水のコートを使って傘をささずに過ごしています。確かに、コンビニで傘を買うこともないですし、どこかに傘を置き忘れることもなくなりました。

もちろん、忙しい日々の中で、余裕がない日の雨模様はどんよりした気分になることも多いです。それでも、ユージーンに住んで3年目にもなると、少しだけゆっくりできる休日には、街の彩りに目を向けたり、雨の音や雨粒の冷たさを感じたりすることができるようになりました。


 

おわりに


ユージーンを訪れた人にどこを案内するか、という話をすると、多くのオレゴニアンに聴くと、ハイキングに連れて行ったら?という話になります。オレゴン、特に東側のユージーンでは、多くの人がハイキングをはじめとするアウトドア好きな人が多いです。ナイキやコロンビアなどのスポーツ用品の会社の本社がオレゴンにあることも影響しているかもしれません。

公園や丘など、トレイルが充実していてハイキングや散歩をすると多くの人に出会います。ご高齢の方でもハイキングを楽しむ方が多く、息切れする若者を横目に、どんどんと進んでいく、なんていう場面も少なくありません。


海岸の方に行けば、Oregon Coast Trailと呼ばれるトレイルが海岸線に沿ってずっとつながっています。海岸沿いの眺めのいい地域が私有地にもならず、ずっとつながっているのには、州がずっと管理してきたことにあります。1913年に当時の州知事のOswald Westによってオレゴン州の海岸線を公共の道路とする法が整備され、今もビーチや展望デッキなどのある公共スペースとして残り、多くの人が訪れています。





山の方に行けば、木々が広がり、豊かな自然を感じたり、もともと材木の輸出で知られたオレゴンの歴史も感じます。遠くに見える山々に霧がかかるランドスケープも太平洋側北西部らしい景色ではないでしょうか。そんなランドスケープに囲まれたオレゴンにいると、自分の小ささに気づきます。雄大な自然に畏怖すると同時に、その自然をアウトドアとして思いきり楽しむ、そんなオレゴンだからこそ、気候変動やサステナビリティに対する意識が高い人々が多く、政策も実現しやすいのかなと感じる今日この頃です。





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